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 ★新着情報 2021.01.30

   1. 『資本論』の商品世界Warenweltあ
   2. 価値形態(価値形式)と周期律・表
   3. 『資本論』 用語事典2021
   4. 元素Element の分類と組織化Elementarform(1)
   5. 元素Element の分類と組織化Elementarform(2)
   6. 元素から見た『化学と人類の歴史』 周期表の物語
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   ■1. 『資本論』の 商品世界 Warenwelt

   2.■ 価値形態(価値形式)と周期律・表
     『資本論』  Elementarform の形成・成立
    
   ■3.  『資本論』 用語事典 2021◆クリック  /syg2021_mokuji.htm

    資本論ワールド 編集部

1.  科学技術では、前4000~3000年紀の間に、ナイル河流域とメソポタミアで、技術上の発明が起こり、冶金術、織物、製陶、轆轤や車輪製作など時代と共に広がりをみせてきました。なかでも都市文明の成長からは、天文学、医術、数学に加えて農業の進歩が著しい発展を遂げてきました。また、灌漑技術の発達、穀物栽培、動物の家畜化に加えて食物保存・調理方法の発見などを背景に、遠隔地交易が盛んとなり、物資の管理にともなう文字記録が発明されました。こうして古代西アジア・エジプト地域で科学技術の土台が形成されてゆきました。

2.  古代世界のナイルとユーフラテスの流域の都市文明は、やがて商業民族のフェニキア人によって地中海沿岸の諸民族に伝えられ、古代ギリシャの地へは、ギリシャ文字の母体となったフェニキア文字の“アルファベット”が伝来され、自然科学的思考の最初の“めざめ・萌芽”が形成されました。文字記録の蓄積は、新たな画期となる科学文明をギリシャ・イオニア地方にもたらし、ヨーロッパ世界と3000年の時空を経て現代にいたるまで “科学言語のかけ橋” が築かれました。

3.  また、交易の発達にともなって紀元前6世紀の小アジアのリディア王国(現代のトルコ)では、世界で最初に金属貨幣が鋳造されました。識字能力と文字記録の普及とともに、貨幣経済が急速に地中海沿岸世界一帯に拡大し、メソポタミアとの東西文化の交流が深化・拡大します。
 ローマ帝国では価値の低い青銅硬貨が導入され、硬貨に認められた価値は「制度的事実」を形成してゆきます。さらに、硬貨に利用された高価な物質の「本来的」価値は(金であれ銀である青銅であれ)新たな形の物質的関与を象徴してゆきます。人々は、硬貨に認められた価値を利用して自分の日常を組み立てて、世界を動かす方法を構築します。

4.  ヨーロッパでは、ラテン語に媒介された中世ヨーロッパのキリスト教神学とアリストテレス学や古典ギリシャの復興-ルネッサンスから、近代社会と科学哲学思考が誕生してきます。これらの歴史的背景を参考に、資本論ワールド探検隊では、「西洋科学史の源流」を基底として、『資本論』を「歴史的に、論理的に」調査研究を行ってきました。

5.  『資本論』は、アリストテレス学やヘーゲルさらに西洋科学史の伝統的論理思考のElementを土台・根拠として、概念形式 Formが形成されています。また、商品の物神的性格の解明を経て、“資本の物神性”を基点とした「元素・構成要素 Elementの分類と組織化 Elementarform」による有機体系 Organismus -(注:ヘーゲル小論理学§161・補遺とメンデレーエフ周期律・表参照)-が構築されています。『資本論』は、ダーウィンとともに「人間生命過程の社会史」を遠望しているのです。 1
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1 ◆資本論用語事典2021 
     第1部 調査研究
  1> ・Element ・Form ・Elementarform ・人間労働 ・価値表現/表現方式
      『資本論』のElement 研究入門 
  2> ・比例 ・方程式 ・価値方程式 ・価値の形式活動 (1) 

  3>・Gallert膠状物/凝結物 ・種Art  ・物Ding
  4> ・現象/仮象 ・事柄/事物 ・直接性/媒介性
      ・現象/本質 ・共通なもの/その価値 ・抽象/度外視
  5> ・同一性/相等性 ・形相/質料(1) ・形相/質料(2) ・素材/質料 ・形式/形態 
  6> ・実体 ・等価/当量 ・単純/個別 ・受肉/化身 ・変態/生態 ・啓示
  7> ・物神的性格/物神性  ・萌芽/胚 ・整約/約元 ・有機体系 Organismus
  8> ・アリストテレス  ・ユークリッド  ・キリスト  ・デカルト 
  9> ・ヘーゲル ・ダーウィン ・ロバチェフスキー ・メンデレーエフ

  10>  ・向坂逸郎  ・宇野弘藏  ・大内兵衛  ・
  11> ・アダム・スミス  デヴィッド・リカード  

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   ■4. 元素 Elementの分類 と 組織化 Elementarform(1)◆クリック
   ~ 資本論ワールド・メンデレーエフと化学元素の周期律・表 ~
      目次
  1. 化学元素とは
  2. 元素の周期律とは
  3. 元素の周期表とは
  4. 元素の周期律・表の科学史上の意義
  5. 元素の組織化と『資本論』のElementarform
  6. 21世紀ー「周期表の物語」
      元素から見た『化学と人類の歴史』
 
   ■5. 元素 Element の 分類と組織化 Elementarform(2)◆クリック
      化学の秩序形成 ~ 原子論と周期律・表 ~

 ドルトンの原子理論と原子量は、メンデレーエフの周期表によって「原子(元素)の分類と体系化」が行われました。 1860年のカールスルーエ国際会議後、元素を原子量の順に並べると周期性が現れることが明らかになりました。メンデレーエフは原子量と元素の性質のあいだに何らかの関係がある、と研究をすすめ、ついに「周期律・表」に到達しました。これによって、人類は元素の分類と組織化に史上はじめて成功し、元素と原子の体系化が図られました。

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   ■6. 現代の「元素」と「原子」-Elementarform 形成史
   元素から見た 『化学と人類の歴史』◆クリック 周期表の物語

  ◆ 資本論ワールド 編集部
  『資本論』科学史の中心テーマの一つに「個々の商品はこの富の成素形態 Elementarform として現われる」事態を、具体的に理解してゆくことにあります。
1.  「成素形態(または要素形態)」と日本語に翻訳された「 Elementarform 」は、「Element」と「Form」の二つの言葉(科学言語)から合成されています。古代ギリシャ・アリストテレスなどの時代に「 Element (元々はラテン語で、語源のギリシャ語:stoicheion ストイケイオン・元素, 構成要素)」は、「世界と自然の成り立つ根源」を言い表わすのに用いられました。
 「 Form 」は、実体(ousia ウーシア)を構成する2要因・ある対象-例えば銅像-を素材の青銅を“質料 hylē ヒューレー ”と言い、その像の感覚的な型を “ 型式 morphē モルフェー ”で表わす一方で、事物を構成する基体としての“質料 hylē ”に対して- “ 形相 eidos エイドス ” は、素材・質料・型を限定してゆく原理として中世ラテン語から「Form」に成長していきます。

2.  「Element」は、対象の構成要因である究極的原理・根源を表現する意味合いが強いのに比べ、「Form」は、“質料 hylē ”とセットに-- 前提・想定された場合の“形相 eidos”として理解されてゆきます。ここから、形相-形式-(質料に対する)形態化-動詞形 formen で、形づくる-英語では動詞形 form で、~を形作る-などと成長・発展してきました。

3.  『資本論』に登場する 「Elementarform」 は、マルクス独自の用法で活用されています。
 「資本主義的生産様式〔 kapitalistische Produktionsweise:資本制生産の方法〕の支配的である社会の富は、「 巨大なる商品集積〔”ungeheure Warensammlung":そら恐ろしい, 不気味な商品の集まり・集合 〕」として現われ、個々の商品はこの富の 成素形態 〔Elementarform:元素の形式〕 として現われる erscheint :現象する。したがって、われわれの研究は商品の分析 〔 すなわち、Elementarformの分析-現象形式の分析- 〕 をもって始まる。
4. 今回紹介する 周期表の物語 『化学と人類の歴史』 は、元素 Element から見た「西洋科学史」を簡潔明瞭に、しかも化学史の実例を伴ないながら、周期表- Elementarform - が成立してゆく人類の「科学的認識過程」が克明に記述されています。  この著書によって、私たちは元素 Element の発見と 元素の分類・組織化 Elementarform を人類の認識過程として学ぶことができます。そして『資本論』第1巻「資本の生産過程」を資本主義社会の発見と資本制生産の有機的組織化のメカニズム-価値方程式の形成として理解が可能となります。

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